Review: Liverpool, May 20, 2013
その後は長髪で髭を生やしたカナディアンたちの時間だった。ビデオでは髪がもっと短く見えたから、私はこのバンドに気がつかなかった。今では全く正反対の、Your Favorite Enemiesの時間だ。小さなステージに6人のメンバーがキツキツに立ち、ドラマーはTシャツを忘れたのだろう、彼の胸全体に描かれたムース(大鹿)のタトゥーを露にしていた。最初の曲は轟くような音で、シンガーが“I grew up in a storm”(僕は嵐の中で育った)と唱えながら始まった。ギタリストは床に広がった彼のエフェクトペダルで背骨がうずくような音を出していた。2人のギタリストが奏でる素晴らしいギターラインの交わりは、聴いていて最高に楽しかった。多少イラっとしたのは、バンドではなく、カメラを持ってメンバーの顔を撮ろうとライブ中ほぼずっとステージ前に“取り巻いて”ブロックしていた3人の男(女)だ。
彼らの爆音的サウンドはライブハウスThe Holdの裂け目までとどろいた。シンガーがジョークを飛ばす-“僕らはカナダのモントリオールから来たんだ。ちょっとしたフレンチ・カナディアン文化や、長髪や髭や、うるさいノイズを持って来たよ!” 彼はまさに的を射ていた。彼は背後で鳴り響く爆音によって強化された、素晴らしい声を持っていた。どのメンバーもライブを楽しんでいるようで、見ていて喜ばしかった。ライブが続くにつれてオーディエンスの視界を妨げるカメラが増えたようだったが、最後の曲でシンガーは、彼らをすり抜ける道をみつけ、一人の少女にセレナーデのごとく歌うことができた。予期していなかった状況に、彼女はものすごく喜んでいたようだった。ライブの終わりを告げるアトモスフェリックなサインで、バンドがオーディエンスを沸き立たせる中、彼はステージ上へと戻っていった。メンバーがステージ袖へと入っていくとき、会場は大きな喝采で溢れていた。そして、ライブはまさにその大喝采に値するものだったと言えよう!
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